INTERVIEW
インタビュー
農キャリアトレーナーによる
プログラムの卒業生たちのリアルボイス
地域の新規就農サポート支援事業で、県内の農業法人へ就職
S さん
資格試験での挫折から自信を喪失
大学に在学中、ある資格試験への挑戦がうまくいかずそのまま大学卒業。しかし、就職のためにもその資格が必要で卒業後も挑戦する日々。しかし、2年、3年と失敗し続けるうちに心が折れてしまい自信喪失。うつ病も患ってしまい、そのまま引きこもりになりました。このままではいけないと分かっていながらも行動ができない、そんな自分がどうしようもなく嫌になり更に自信喪失する悪循環。
新聞に掲載された農スクールの案内を見て参加を決める
そんな暗い数年を過ごしたある時、両親が農スクールについて掲載されていた新聞記事を持ってきてくれました。外に出るのは、億劫で、なにより周りからの視線が怖くて出なかった自分。それでも、農スクールに行ってみようと思ったのは、「働きたくても、働けない長期無業者やひきこもり、ホームレスなどさまざまな方々のための就農支援プログラム」という見出し。ここならば、こんな自分でも受け入れてくれて、そしてこの活動がきっかけで次に繋がるかもしれない。そう思って参加を決意しました。
疲労感の中に達成感があることに気づく
草を刈って、畑を作る。土を耕し、種を植える。単純だけど引きこもりだった自分には重労働で。それでも疲労感の中に確かな達成感があって。そんな2時間を週に1回続けているうちに、自分を卑下する気持ちが薄れていきました。緑溢れる外に出て、身体を動かして、野菜を育てる。そんな流れに、確かな達成感を抱いて、徐々に自信を取り戻していきました。「自分は何もできない」から「自分はこんなにできる」に変わっていったのです。
自分を認められることができるようになり、農園で就労を決める
心に残っていること、言葉は、農スクールに参加してから半ばごろに「一生懸命だよね」と言われたことです。自分としては、ただ言われた通りのことを黙々と続けていただけなのですが、その言葉をかけてもらえただけでもなんだか自分が認められた気がして嬉しい気持ちでした。そして今まで考えたこともない農家への道を考えるようになったのです。農スクールを通して、様々な農家さんを見学したり体験したり、農業のありかたを身近で見て、感じて。大変なこともあるけど、それでも農家として働きたいと思った自分に、小島さんやスタッフの方は色々と教えてくれました。感謝してもしきれません。おかげさまで、農園でアルバイトとして働くことになりました。これから先のことはまだ分かりませんが、今の自分ならここから更に先に進むために頑張れると感じています。そんな気持ちを抱けるのも、引きこもりだった自分を拾ってくれた農スクールがあったからこそです。