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INTERVIEW

農スクール
活用事例インタビュー
鎌倉市長 松尾 崇 さん

公開日:2022/04/20

鎌倉市では、農スクールの就農支援プログラムを自治体の就労支援プログラムとして導入頂いています。
今回、鎌倉市長の松尾崇さんに、農スクールのプログラムを導入した理由や期待する効果、今後の展望について、農スクール代表の小島が話をうかがいました。

最初に、農作業を活用した就労支援の導入のきっかけを教えてください。

鎌倉市長 松尾崇さん:背景としては、障害者二千人雇用という取り組みを市として進めている中で、農業という切り口が、大きな可能性があるのではないか、ということがありました。
その中で、小島さんの取り組みを知ることがきっかけとなり、視察をさせていただいて、導入をしました。なのでまず、障害者という切り口で始めたいということで、月に1回の農業就労体験セミナーからお願いをして、2年目から間口を広げて、障害者に限定することなく募集して、徐々に参加者が増えてきました。

しかし、月一回という開催ですと、かなり積極的に参加しても、雇用、就労というところには、なかなか結びついていくという実感が持てなくて。
その中で、実際の事例として、鎌倉市の農業就労体験セミナーに参加した後、週に1回の農業体験に参加し、その後、藤沢市の農家に就労した方がいて、そうした取り組みが就農に結びつくんだなと思い、今回、就労特化コースの導入にいたりました。

「どういう状態で困っているか」「どういう背景か」ではなく、多様な背景を持たれた方が「農」という『目的』を共有して参加するモデルは全国的に見てもめずらしい形で前例が少ないため、実際、行動に移すとなるとそれなりの難しさもあると思うのですが。

鎌倉市長 松尾崇さん:鎌倉にお住まいの養老孟司さんのご自宅にお伺いした時に、「コンクリートの中に入っていたら人は誰でも心が弱くなるよ、土を触るといいんだよ。」とお話をされていて、その言葉が私の中でずっと残っていました。
そして、市の職員が有志で、5-6人集まって、農作業をやった時の感想も「楽しかった」という声が多かったということもありました。
また、障害者雇用という視点からも、やっぱり農業という手段ってすごく有効なんじゃないかなという話が出ていました。

それと同時に、共生社会を目指す条例を作っていく中で、障害者だけでなく、ひきこもりの方、心を病んでいる方、社会に中々馴染めない方々、壁にぶつかっている方達が、潜在的に増えているのではないか、という課題意識があり、そういった方々の力になれればという思いからなので、ハードルの高さや難しさは感じませんでした。

小島:実際に松尾市長は現場にも足を運ばれて、市民の方々と一緒に農作業されてらっしゃいましたよね。

鎌倉市長 松尾崇さん:皆さんと一緒に農作業をしながら、皆さんの様子を見させていただき、すごい熱心に、楽しそうにやっている雰囲気がすごくいいなと思って、その場にいるだけで幸せな気持ちになりました。

小島:実際、市長も一緒に農作業された方が藤沢市の農家で働くようになったり…。

鎌倉市長 松尾崇さん:我々が常々言っているのは、「弱者を固定化しない」ということです。支援する側される側はいつでも入れ替わるし、そこをやっていきたいと話しているので、まさにそれが実現できている場です。素晴らしいと思っています。

今後の展望をお聞かせ願いますか?

鎌倉市長 松尾崇さん:そうですね、今言えることとすると、市としてはシンプルに皆さんの力になりたいと思っていて、何かを強制したいって思いは全然なくて、この事業ってやっています。だから、ほんと気軽に参加していただいて、自分に合う、合わないを感じてもらえるといいのかなって思っています。

そういった理由から、2022年度は、2つのメニューを用意しています。

ひとつめは、月に1回、第3水曜日に開催する、居場所をメインとした「農業体験コース」、
ふたつめは、3カ月間で10回の講座になっている、農作業を活用した就労トレーニング「就労特化コース」です。

自分の困りごとを、人と比べて大したことないんじゃないか??とか思わないで、何か我々の事業が気になったら、ためらわずに申し込んでほしいです。声をかけてもらえれば、あなたの一歩を進める手助けになるかもしれません。

色々な方がその方に応じた関わり方をしていただけるように、例えば今回の「農」を通じたコースにも目的に応じて「選択肢」があるように、柔軟に運用していきますので、もし、自分の助けになるかも!?と感じたら、遠慮なく申し込んでほしいと思います。

小島:本日は貴重なお話をありがとうございました。

鎌倉市では、農スクールの就農支援プログラムをベースとした2種類の就労支援コースがあります。

・居場所をメインとした「農業体験コース」
詳細はこちらから(鎌倉市のページへリンクしています)

・3カ月間で10回の講座と農作業を活用した就労トレーニング「就労特化コース」
詳細はこちらから

現在、鎌倉市では上記の2つのコースの受講者を募集しています。
ご興味ありましたら、ぜひ詳細ページをご覧ください。

農業では高齢化が進み、
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農スクール代表 小島希世子

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